記事 No.344
「 複写は撮影技術の基礎である! 」 こんなフレーズって、どこかで聞いた事がありますよね? ( もしかして、私だけ? ) 私は写真学校に行った事が無いので、これが本当かどうかは良く分かりません。 おそらく、写真学校では最初のカリキュラムで複写法を学ぶんだろうな。と想像はしていますが... 今のご時世、著作権を尊重する世の中ですから、他人の作品などを勝手に複写し、転載などしたら法律違反になりますが、仕事として作家さんなどから複写を依頼される事は多々あったりします。 今更な感はありますが、最近「 複写 」を依頼されましたので、今回はそれをネタにしてみます... 以下の複写画像を良〰くご覧ください。 何が違うか分かりますでしょうか? ( 下の文章を読む前に、画像だけ見て違いを観察してみましょう... ) ![]() . . . . 何が違うって? そりゃ、色紙の明るさが微妙に違ってるでしょ。。 その位は分かります。 更に良く観察すると、背景の明るさが違うのも分かりますね。 もしかして、背景の明るさが違うので、色紙の明るさが違って見えるのか? 目の錯覚!というのが、どうせオチでしょ?(汗) おや? 背景のセンターが少し暗い [ *1] ぞ。 そんなところまで分かった方は、とても観察力のある方だと思います。 では、この画像を等倍( 100%切出し画像 )で見てみましょう... ![]() あらまぁ... (B)は紙の質感まで見えてたのね。 そう、今回の複写依頼は、紙質まで分かるように複写して欲しい!というご依頼でした。 紙質を素直に表現しようとすると、斜光を当てて複写すれば紙の立体感が出ると思うのですが、一方向から強い光を当てると、色紙の四隅で明るさが違ってしまいます。 ( 光源に近い場所が一番明るくなって、遠い場所は暗くなる ) なので、今回は基本ライティングが無影になるようセットを組んで、そこに斜光をプラスしようと考えました。 基本の光が無影状態(A)にするのがポイントです。 何故なら、(A)の状態で既に影が付いていたら、その時点で無意味な質感が出てしまい、そこに斜光をプラスしても更に複雑な影が加わるだけで、結局 汚い質感表現になる事が予測できるからです。 ですから、無影状態(A)で斜光( 一方向からの舐めるような強い光 )をプラスすると、一方向の綺麗な紙質の影( 質感 )が出できます。 その斜光でできた光ムラ( 色紙の四隅で明るさが違ってしまう )を、画像処理で相殺するレタッチを行なって、納品画像(B)としました。 色紙の四隅の明るさ違いがカラーでは分かりニクいので、モノクロにしてみましょうか。 ![]() 色紙の四隅はほぼ均一に見えますね。↑ もっと詳しく見てみましょう... 質感が明るさ計測の邪魔をしてしまうので、少しボカシます。 スポイトの先端感度も広くして計測。。 ![]() あらら... 数値が一致してませんね。(汗) という事は、明るさは完全に均一では無いという事ですか。 まぁ、そこが複写の難しいところでもありますが... 写真学校に行くと複写は基礎?ですから、質感を表現しながら均一な光にする方法をウマく教えてくれるんでしょうね。 でも今回は、そこまでシビアに追求される事は無いと思いますので、これで妥協しちゃいます。(笑) 案外、複写って難しいという事が分かりました... 光のセッティング以外に、色味にも十分注意しましょうね。 本物よりも、鮮やかになるのも困りますし。 ・ そうそう、最初に「 背景のセンターが少し暗い [ *1] 」と書きましたが、この明るさ違いは被写体( 色紙本体 )には一切影響しません。 RGBの数値を見ても分かります。 さて、それは何故でしょう... (1) → 背景下部のセンターが暗くなっているは何故か。その理由を推測してください。 ・ 私は最初に(A)の無影ライティングを行った上で、斜光をプラスしました。 紙質を表現するだけなら、斜光だけで撮影しても良いように思いますよね。 何故 無影ライティングを行う必要があったのでしょうか? (2) → 正解者が出ました! ・ ・ ●------------------【 当ブログ お勧め商品 】 ※ 39medakaの お気に入りの商品をご紹介します☆ ・ ![]() ( A2・半切用紙対応 / K3インク搭載 / 8色顔料インク / 自作トレイで DVDレーベル印刷も可能♪ ) ・ ( E'CRAN所属の cabyさんが BOOKを出版。カメラ好き女子必見のフォトテクニックが満載です♪ ) ・ ![]() ( 0.1°分解能 デジタル水準器 / デットレベルが設定済み. / ディスプレイ可動式. / 単四電池x2本 ) ・ 猫タワーの価格を見る ( Mikeの使用しているタイプとは異なりますが、価格が手頃で大きさも丁度良い感じです. ) ・ Canon オフカメラシューコード OC-E3の価格を見る ( カメラからスピードライトを離して使用する為の Canon純正のストロボ延長コード. ) ・ The Winking Owl Deep River ・ IR 76フィルター の価格を見る ・ Wixey の価格を見る ・ LPL ツインシューブラケット L2493-1 ・ USB-MBM5 の価格を見る ・ LP1000 の価格を見る ・ 油圧フロアジャッキ の価格を見る ・ BSG モーラタイプ M型 ・ ( クリップオンストロボに取り付けて使用するライティングヘッド。ただし生産希少品 ) .
by 39medaka
| 2013-05-01 09:39
| 機材
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Comments(21)
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15:52分の鍵コメさま、有り難う御座います。
(1)ですが、数値的には影響は全く現れていませんよ。 もし、画像下部のセンターが暗いのであれば、色紙の下部も暗くなっているハズですよね。 数値的に見てもセンター値が" 217 "ですから、若干ですが むしろ周囲よりも明るくなっていると読み取れますね。 ( 0=真っ黒 , 255=真っ白 です。) ここで問題なのは、背景下部のセンターが暗くなっているは何故か。その理由を推測してください。 (2)通常の複写ならば Aの複写法で良いと思います。何の問題もありません。 ただし、今回のご要望は紙質まで分かるように複写するのがご要望ですから、これではダメですね。 又、斜光だけで撮影しても入射角を調整する事で、紙の質感表現は任意に調整できます。 なので、コントラストが高くなり過ぎて汚くなるという事はありません。 ( コントラストが高くなり過ぎる場合は、入射角を大きくすれば弱くなります。) ここで問題なのは、斜光だけで撮影してしまうと、何か不具合が発生する訳です。その理由を推測してください。 単純な複写ですが、写真学校ではどのように教えているんでしょうね。 ちょっと興味がありますが...
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16:47分の鍵コメさま、有り難う御座います。
(1)ですが、斜光の影響ではありません。 着眼点を変えて考える必要があります。ある意味、先入観が邪魔をしているのかもしれませんね。 頭を柔らかくして、再トライしてください... ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
22:26分の鍵コメさま、有り難う御座います。
> (1)色紙を浮かせているから。 なるほど、斜光ライトで出来た色紙の影と考えたのですね。 随分細い影になっちゃうんですね。(笑) 斜光は生に近い光質なので、影であればもっとクッキリ出ると思います。 ペケです! > (2)正確な色を出すため。 斜光だけでは正確な色が出ない。あるいは、出にくい。という事ですね。 多少あるかもしれませんが、ペケです! これも入射角の問題かと思います。 おそらく、紙の質感を出すくらいの入射角であれば問題は無いと思いますが。 さて、誰が正解するんでしょう。 それとも、このまま お蔵入りになってしまうのか... ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
02:09分の鍵コメさま、有り難う御座います。( 16:47分の鍵コメさまの再チャレンジです )
> (1)バックライティングのムラではないでしょうか。 ペケです。 無影ライティングだからといって、背景にライトを仕込んで影を消している訳ではありません。(汗) 色紙は背景面にベタ置きですが、厚みがあっても完全に無影になるよう ライティングしています。 でないと、無影ライティングとは言いません。 > (2)台紙の金縁が綺麗に出ない為 正解です!! 斜光だけですと、やはり金縁までは綺麗に表現できません。何らかの工夫をしないと黒くなってしまいます。 ですから、基本の無影ライティングで原稿を忠実に複写しておき、そこに斜光をプラスすれば紙質を追加で表現できる方法を選択しました。 実は、複写点数は 1点ではありませんでした。 しかも、紙質の表現が必要な複写は、その中の一部だけです。 ( 質感を出しても、印刷時の大きさによってはあまり意味が無い場合がありますから。) 斜光ライトをプラスするか、しないか、スイッチを ON-OFFするだけで全ての複写作業が流れ作業的に効率良く行えるようにしました。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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01:51分の鍵コメさま、有り難う御座います!
(1)のヒントですか、 そうですねぇ... 【 ヒント 】 たとえば、背景の素材ですが、そこに先入観があるんじゃないのかな。と思います。 ( ↑ これは大きなヒントになると思います。) Benさんの複写法は学校の教科書には書かれていませんので、本や Netで検索しても出てきません。頭を柔らかくして考えてください。 (3)は問題にしませんでしたが、ほぼ正解です! 肝心なところが違っていますが、考え方は正解ですね。 ( (1)が分からないのですから無理もありませんが。) これを適応すれば、自動補正してくれますから明るさは相殺されると考えました。 楽チンですね。 (4) , (5)は完全にペケですね。 これはプロでも まず分からない手法と思います。 Benの独自技法といえるんじゃないでしょうか。 なので、問題にしませんでした。 もし、このライティングがバレると、ブログ炎上もあり得るカモ... ある意味、衝撃的なフレーズが含まれますからね。。 (滝汗) ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
11:47分の鍵コメさま、有り難う御座います!
> (1)ガラスの上に乗せているから、脚の影で暗くなった。 ペケです。 (3)以降のご回答ですが、内容が簡略し過ぎで意味不明だったり、答えの範囲が広いので正解とは言えません。 現在は(3)以降の答えを募集していないんですけどね... (汗) いろいろ記載したのは、単純な複写という撮影法でもネタになる要素は沢山あって、そのどれもが面白い内容を含んでおり、地味な複写という作業でも基礎とかノウハウは必要なんだな。と再確認して欲しかったのです。 ![]()
我が輩は下の文章を見る前に、色合いと髪質の質感まではわかりました。
![]()
focusさん、有り難う御座います。
何? 髪質まで分かったのですか!! (驚) やはり、絵を好む人は観察力が鋭いんですねぇ... focusさんも、(1)の理由を考えてみてくれませんか。 背景の素材と、影の原因ですが、何だと思いますか? ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
12:01分の鍵コメさま、有り難う御座います!
ご指摘の背景素材ですが、アクリル板のような" 乳白材 "ではありません。 しかし、この撮影に「 記事No.343 の引伸ばし機スタンドを使用した。 」というのは大正解です! そして、その引伸ばし機と、背景下部のセンターが暗くなっている件は、大いに関係しているという読みは見事な推理ですね。当たりです。 ですが、それは引伸ばし機支柱の影ではありません。 ( 支柱の影なら、被写体にも影の影響が出てしまう事になりますので、それではマズいですよね。) いままでの推理者は、センターが暗くなって見える原因を" 影 "と予測しているようですが、そもそも その先入観が不正解の原因ですね。 影に見えますが、光量的な影ではありません。 では、なぜ暗くなって見えるんでしょうね。。 影に見える他の原因を推測してください。 それは背景の素材が分かればほぼ判明する事です。 そして、背景にスタンドがどう関係しているというのか、それが最大の謎ですね。 ( 自分が色紙側に立って考えてみてください。) ← 大ヒント! ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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